袴田家物語

吾輩は殿（との）である。

このようなものが届いた。


世の中には練れ者がおるが、吾輩に目をつけるとは炯眼である。

吾輩の頭のテッペンから育つは知か・・芸術は自由だ。

しかし吾輩は己の姿を見たことがない。果たして、似ているのか？


なにやら羨ましげな視線を感ずる。ルビー姉御だ。


ルビー姉御は、同調、依存を嫌う気高い猫だ。ほら、デコが呼んだところで知らん顔だ。


猫だと甘く見て撫でようとする女中などは、「気安く触らないで！」と、姉御に一蹴される。

その姉御が・・もしかして吾輩に嫉妬か？


いやいや、そのような女中的思考は、姉御には許されないことだ。

姉御の憂いを含んだ大きな目、厳しい猫生もうかがえるではないか・・。

ま、そのうちルビー姉御を描いてみるかという奇特な人間がでてくるかもしれない。