狭山冤罪・石川一雄さん追悼集会

袴田家物語

2025年04月17日 15:11

4月16日、3月亡くなった石川一雄さんの追悼集会が行われ、ひで子姉さんもお別れの言葉を述べました。


「石川さん、なんでこんなに早く逝っちゃったの・・62年も闘ったのに、悔しいですね・・」と、声を震わせ、「今度こそ石川さんの再審開始です。がんばっていきましょう」と、激を飛ばしました。

挨拶に立った妻・早智子さんの一雄さんへの哀切な語りは会場の涙を誘いました。
(一部紹介、文中 、。は筆者)


「待って、待って、待ち続けたね、待ちくたびれただんだね、でも決して泣き言を言わずにがんばってきたね」と、早智子さんが語り始めると会場には涙を拭う姿が。

早智子さんは続けます・・

「一雄、長い闘いだったね・・ひたすらにえん罪を訴え続け、裁判を健闘し闘い続けた60年余りの人生・・弁護団や支援者の皆様の闘いがあって、やっと光がみえてきた、志半ばで逝ってしまった一雄、無念だったね・・。

一雄、これまでいっぱい短歌を作ったね。集会ではいつも元気で闘う姿をみせていたけど、短歌には苦しいことや悲しいことも詠っていたね。
でも、いつも希望を持ち続けていた。それは、<私は無実、真実はきっと明らかになる>そういう揺るぎない信念と支援者皆さんの方の熱い闘いがあったからだね。

半年ほど前に書いた一雄のメッセージを見つけたよ」

なんと、そのメッセージは、自分が亡き後の妻・早智子さんの挨拶文を生前に書いていたものとのこと。佐智子さんが困らないようとの石川さんの愛でしょう・・。

「変だね、そんなこと考えていたんだね」と、その一部が紹介され・・

(石川さんが書いたもの→)<夫は、常々100歳まで生きたいと言って通販から様々な器械を取り寄せて体を鍛えていただけに、えん罪を晴らせないまま天国にいかれ、どんなにか無念だったか、あとは私が天国の支援者たちのご協力をえて、えん罪を勝ちとるからと言って送りましたので期待していったと思います。今後も皆さん方のご協力をお願いいたします>

また、残されていた歌の中に、「わたしがウグイス」というのがあり、「今ごろは、ウグイスになって縦横無尽に飛びまわっているのかもしれない」「行きたがっていたケニアに行って、野生動物を見ているかもしれない」とも早智子さん。

「えん罪を訴えて60年余り、第3次再審になって19年もの歳月要し、その間10人もの裁判長が変わりました。3月4日には63回目の三者協議が行われながら、事実調べも鑑定人尋問も行われなかった。検察は証拠開示を拒み続け、そして再審法の不備も一雄の願いを断ち切りました。それでも一雄は、裁判長の正義の英断を待ち望み短歌を作っていたね・・そのひとつ・・<今日明日か 苦悩の極みの 幾星霜 彼に正義の英断まずあれ>と詠ったのは2014年1月でした・・
86年の生涯のほとんどを冤罪を晴らすためにだけ走り続けてきた夫・・
これから第4次再審が始まるよ。大丈夫、私が、弁護団が、そして多くの支援者が、みなさんがこれから頑張るから。
ウグイスになって自由に空を飛び回り見守っていてほしい・・
一雄、、あなたの笑顔が大好きだったよ・・でも、あなたはもういない
一雄のいない裁判闘争、でも、あなたの精神は狭山闘争にひきついでいるよ。今日の追悼集会にこんなにたくさんの人に来ていただいて、にぎやかなことが大好きだった一雄、今頃はニコニコして「あとは頼んだよ」と見ているかなぁ・・。
あなたに出会って、とても幸せだったよ。第4次再審を一雄の分までがんばるから、ウグイスになって見守ってほしい。・・誇らしい人生だったよ。
一雄、いままでありがとう。
そして皆さん、今日はありがとうございました」

国会議員ほかも挨拶され・・



鴨志田祐美弁護士(日弁連再審法改正推進室長)は、80年代に免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件と死刑えん罪があっても再審法を変えることができなかった・・再審を闘っている人がその途中で亡くなる事態がおきており、95歳で第11次再審請求を準備している岡美代子さんの例などにも触れ、石川さんにも司法に関わる人間として再審法改正ができなかったために申し訳ない、現在国会議員の過半数である384人が再審法改正議員連盟に参加していることから、今国会での議員立法で再審法改正を実現させる必要を訴えました。「正念場です!」

ジャーナリストの鎌田慧さん


日本のマスコミ報道の問題を指摘、警察発表に依存して報道しているが狭山事件も同様。はじめから部落を標的にした部落差別の典型だが、警察の悪意がそのまま報道により世間に広がっている。また、袴田事件の5点の衣類と同じように、証拠にされた石川さん宅の鴨居の上にあった万年筆は、捏造されたものであること、読み書きできない非識字者の石川さんが、文字によって(脅迫状を書いて)人を驚かせて金を取ろうなどと考えるわけがない。検察官も裁判官も、非識字者の苦悩を知らない、無理解であることを指摘しました。

石川一雄さんの御冥福をお祈りすると共に、早智子さんが起す第4次再審請求では何としても再審開始決定を勝ち取りましょう



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