2018年02月19日
袴田巖さんのスピーチ 「袴田事件がわかる会」続報
スタスタと・・突然現われた巖さん。
秀子姉さんがニコニコしながらお連れくださいました
あっけにとられていた私達ですが・・驚いている場合ではありません!
私は、慌てて会場に掲げていた「袴田事件がわかる会」の横断幕を裏返しました。
なぜなら、巖さんは事件のことについて、「袴田事件なんてものはなかったんだ。死んだ人なんて一人もいない。紙に書いただけのことなんだ」といつも言っているからです。そして、袴田事件に関する報道等に接したあとは、精神的に不安定になられることを身近にいて知っているからです。このことに関しては、別に書きたいと思いますが。
ここは、巖さんのファンの集まりだとご本人に伝えました。
「あ、そう」といいながら、みなさんの前に立たれました。
「ひと言、みなさんにご挨拶いただけますか」
そう言いながら巖さんにマイクを渡すと・・手馴れたふうに受け取り・・スピーチが始まりました
「え~、世界的に悪いやつが多くてしょうがない、こういう世界じゃやれんっていうんで・・世界で1番まじめな人間がローマ法王をとるっていうんだね・・そういう世界がはっきりしてね、私がローマ法王になって変えていくんですよね」
「バイ菌が人間になっているんだ。神とバイ菌の闘いになってきた。神は私でね。一寸法師の時代になっちゃったんだ。動かすことはできんだでね」
実に穏やかに、時に微笑しながら、諭すように話は続いていきます。
その後、私との一問一答形式に。10日前の明治神宮神宮参拝後にインタビューしていた私は、そこで巖さんが語られた項目に水を向けました。
<冤罪についてはどうですか>
あ~冤罪事件という問題があったんだがね。
冤罪事件というのは、国家が認めないものは冤罪じゃないんだね。
国が認めない限りダメなんだね。
<これから、どういう世の中にされますか>
一番は、悪をなくすということだがね。悪いやつらを一寸法師にするということが法的に許されたんだね。一寸法師じゃ、こんな小さなものじゃ悪いことができないんだね。これが儀式で決まった。儀式っていうのは法律なんだね。
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<巖さんが今望まれることは、なんですか>
善であるということだね。善で生きることだね。
だから、人間を善で変えていく。どういう行動をとれ、ということを書いているんだね。
その通りに動けば善の世界だが、まだ様子を見てるんだね。
バイ菌の大将たちが認めたからね。一寸法師になっちゃったからね。
袴田巖の責任で書いている。
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<世界平和はどうですか>
(巖さんが最も望まれていることは、世界平和だと聞いていた)
あ~世界のことね。人間は膨大な金がほしい。そこで争ってはいけない。
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<巖さんの元気の秘訣を教えてください>
人間的に元気であるということが大事。負けないということ。儀式の勝負に負けない。
私は動物が好きでね・・動物は大変な敏感な知恵を持っている。
正しく生きる。動物は正しく生きてる。弱いからね。
正しく生きれば人間は困らんのだ。そう書いてるんだけど・・どこまで反対者がでるかということだね。
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<毎日、何時間も歩くのは、どうしてですか>
歩くことが大事なんだね、私はね。一日歩いてもくたびれない。
人間が歩くということが非常に大事であるんだね。健康が保障されるんだね。
困ることがなくなっちゃうんだね、歩いていることでね。一日歩くとなくなる。
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<では、最後にみなさんへ一言>
みなさんも元気でやってもらいたいということだね。
自分が思うことに忠実にね。忠実に働くってことだね。
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<はい、今日は、どうもありがとうございました~>
会場に拍手が鳴り響く中、また巖さんはスタスタと去っていきました
巖さんは、独自の正義感をアピールされました。
それは、強烈な「独自の世界」であるが故に、私たちの理解の範囲を超え、荒唐無稽な話に聞こえもします。が、何度か聞いていると、巖さんのおかれてきた到底受け入れられない不正義が支配する現実、それを正そうと闘っている、闘い続けている不屈の巖さん魂が見えてきます。そうすることで巖さんは人間としての誇りを保ち、生き延びてこられたのです。
突然出てきた「一寸法師」の話、みなさんはどう思われたでしょうか。
これは、不正義や悪を働く人間を一寸、つまり約3cmに超小型化してしまうというものです。そんなふうに小さくしてしまえば、もう何も出来ない。悪いことはできない。つまり、悪を働く人間を無力化するということのようです。それによって、社会、それも全世界を善に変えることができるという巖さんの世直し法なのです。巖さん独自の世界では、全世界の権力を握った全知全能の神・袴田巖だからできる事です。これは先日、巖さんご自身からじっくりお聞きしました。
トイレ洗面所も入れて約3畳しかない、しかもコンクリートの壁しかない、袴田巖という名前も奪われ番号でしか呼ばれない、自由に声も出せない、歌も歌えない、絶対服従、看守意外の人と話すことは禁止・・・そんな独房生活を47年7ヶ月間も強いられ、さらに33年間は死刑執行の恐怖・・
これだけでも到底正常な精神状態は保てないだろうと思うのに、巖さんにはそのような仕打ちを受ける理由がないのです。殺人放火強盗事件には係わり合いがない事は火を見るより明らかなのですから。
巖さんの独自世界の構築は、こうしたあまりに異常な環境下での精神の避難、自己防衛本能が働いた結果です。
独自世界で語られる事は、その背景に注目しなければ巖さんの理解には遠く及ばないと思います。
実は、巖さんは、「わかる会」の始まる時間より早くに登場されたので、会場にいた方は参加者の半分くらいでした。時間通りや遅れて来た方は、会えず残念がっておられました。
さて、思いがけないオープニングで、ここまで巖さん一色ですが・・
こちらもゲストのお二人です
右側は、弁護士の西澤美和子さん。コートにリュック姿で受付にいらしたとき、「いらっしゃい」なんて言ってしまった私学生かと思っちゃいました
みなさんご存知の秀子姉さんのご挨拶
今日巖さんを伴ってきた経緯についても触れました。
60年以上前に巖さんが勤めていた会社に用事があると巖さんが言い出し、タクシーでその付近を回った足で会場にきたとのこと。
「そんな大昔の会社はありはしません。でも、私は巖の言うことは否定しません。どんなに変てこなことを言っても、そうだね・・と相槌をうっています」
「この会も6回目。みなさん熱心に通っていただいています。
私はとにかく巖の再審が開始されることを願っています。今後ともご支援お願い致します」。
会場からは、本当に気持ちのこもった拍手が
静岡から駆けつけてくださった西澤美和子弁護士
今、袴田さんの裁判がどうなっているのか、裁判の仕組み、再審について、などについてお話いただきました。
DNA鑑定論議に4年もかかったのですが、証拠とされた犯行時着衣「5点の衣類」に付着していた血液がDNA鑑定で袴田さんのものでも被害者のものでもないことが明らかで、さらに即時抗告審開始後に開示された取調べ時の録音テープにより違法捜査だったことが明らかになったことで、もうじき出される高裁の判断に期待しているとのこと。
「無実の人をこれ以上苦しめていいのか」という問題だと訴えられました。
また、遠からず下される高裁の判断(再審を開始するのかどうか)、担当の大島裁判長とはどんな人かということを主催者からお話しました。
これまで関わられた裁判から、オウムの菊池直子元被告の事件や横浜事件を例にとって紹介し、大島裁判長の仕事ぶりは、デュープロセス、推定無罪、つまり疑わしきは罰せずの原則にもとづいていることから、袴田巖さんの審理についても大いに期待が持てるとお話しました。
最後にもうひとつ・・
「浜松 袴田巖さんを救う市民の会」の方から、今度の土曜日(24日)に東京で開催される「袴田巖さんの再審を開始せよ!2・24全国集会」の案内と参加呼びかけがなされました。
浜松からマイクロバスで行こうというものです。
集会は以下の通りです。
主 催 袴田巖さんの再審無罪を求める実行委員会
アムネスティ・インターナショナル日本/日本国民救援会
日本プロボクシング協会袴田巖支援委員会/袴田巖さんの再審を求める会
袴田巖さんを救援する清水・静岡市民の会/袴田巖さんを救援する静岡県民の会
浜松・袴田巖さんを救う市民の会/無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会
日 時 2月24日(土) 午後1時半~4時半(開場1時)
会 場 YMCAアジア青少年センター 地下スペースYホール
今日のブログは長かったですね~。
ここまで到達できたでしょうか・・。
読んでいただいたみなさま、ありがとうございました
Posted by 袴田家物語 at 23:58│Comments(0)
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