2024年08月19日
帰ってきた袴田巖さん 8年の軌跡つづき
さて、前回の続きです。
2018年5月18日 小川秀世法律事務所に「袴田巖の壁」出現。
プラハのレノン・ウォール(ジョンレノンの壁)に着想を得たと小川弁護士。
その壁に最初に書いたのは袴田巖その人でした。

そして、書いたのが「幸せの花」
ひで子姉さんは、「無実」と書きました。

これは、2014年の静岡地裁再審開始決定を不服として検察が高裁に控訴した、高裁決定が6月11日に出されるのを前に、上川法務大臣に「検察の控訴を取りやめさせろ」という市民の声を集めるものでした。この時、弁護団も高裁が再審開始決定を取り消すなどとは思ってもいなかったのでした。後に歴史の汚点となる高裁(大島隆明裁判長)の再審取り消し決定が出されるのですが・・。
「幸せの花」って何?巖さんが書いたこの言葉、みなさんは意外だったようでした。
私は、うれしかった・・巖さんの心に届いた・・そう思って。
巖さんの慰めに・・そう思い、私はずっと巖さんに花を届けていたのでした。
巖さんの前で生けて。
ある時、大金を渡されたことがありました「花でも買えばいいよ」と。(もちろんひで子姉に返した)



2018年6月11日、高裁で再審開始決定が取り消された時、報道陣に取り囲まれて。

「再審開始決定が高裁で取り消されたんですが」と巖さんにマイク向けた静岡の報道幹事社の記者。
巖さんは「「そんなのウソなんだよ。ウソ言ってるだけなんだよ。事件がねえんだから」と答えました。
そこで私は割って入った・・いい加減にしてください!!!巖さんには裁判のことは何も伝えてないと言ってるだろーが、この無神経な奴め!!どこまで巖さんを傷つけたら気が済むんだ・・と腸が煮えくり返ったことでした。この時は私もまだ経験が浅く、今思えばこのような目に巖さんを合わせてしまったことが申し訳なく悔やまれます。

この時を境に、巖さんの意識は後退していったのでした。
そして、巖さんの「ローマに行く」が始まります。
ひで子姉さんは、「あーそうかね、ローマ行きたいんだね、よし、行こう」。
そして私に、「ローマ行くってよ」
巖さんは、とにかく新幹線に乗って出かければ納得されるようでした。
「東京の神社仏閣おすすめ20選」だの「30選」だのスマホで見て、片っ端から行きました。
京都も行きましたっけ。


熊本さんを見舞った時も「ローマ行く」と巖さんに言われてでした。

そして・・ローマ教皇東京ドームミサに招待され・・

ローマ教皇の姿を間近にしたから?この日を堺に、ピタッと「ローマ行く」のは終わりました。
「ローマが浜松に来た」のだとか。
「皇居に行く」とも何度も言われましたっけ。「自宅」と言いながら中には入れない・・これも巖さんの中ではどうなっているのかわかりませんが。

巖さんが本当に楽しそうだったのが将棋の時でした。

この頃は男性相手でも平気でしたね。
それが、ある時、ご自分が負けてしまったのを堺にピタッとやめられました。
「神が負けたんじゃ、しょうがないんだね。もう、しない」
あの手この手でお誘いしても、頑として受け付けず・・
あ、そうそう、「袴田事件がわかる会」に突然ひで子姉さんと現れたことがありました。
2018年2月18日、第6回目の時です。ビックリしました。

巖さんは以下のようなことをおっしゃいました。
「え~、世界的に悪いやつが多くてしょうがない、こういう世界じゃやれんっていうんで・・世界で1番まじめな人間がローマ法王をとるっていうんだね・・そういう世界がはっきりしてね、私がローマ法王になって変えていくんですよね」
「バイ菌が人間になっているんだ。神とバイ菌の闘いになってきた。神は私でね。一寸法師の時代になっちゃったんだ。動かすことはできんだでね」
一番は、悪をなくすということだがね・・・善であるということだね。善で生きることだね。
だから、人間を善で変えていく。どういう行動をとれ、ということを書いているんだね。
その通りに動けば善の世界だが、まだ様子を見てるんだね。
実に穏やかに、時に微笑しながら、諭すように話は続いていきました。
そして、最後には・・
みなさんも元気でやってもらいたいということだね。
自分が思うことに忠実にね。忠実に働くってことだね。
そんなことをおっしゃったのでした。
いつも考えて、考えて、ノートに書き記す姿もありました。

時には1時間も考えておいでなので、何が書かれているのか、ひで子姉さんと盗み見ると・・「袴田巖は神になった」。
このノートは巖さんの精神世界そのもの。弁護団は、裁判所にコピーを提出もしました。
いつの頃からか・・ノートを手にすることはなくなりました。
巖さんが緩んできた証でもあります。
心に堅牢な城壁を築いてそこからでてこない巖さんの「凍りついた魂」、それをどうしたら溶かせるのか・・巖さんと出会ってからそのことだけを第一に考えてきました。
3歩進んで2歩下がるの繰り返しで・・それでも巖さんの凍りは解けてきていることを実感します。
何より巖さんの心が安らかでありますように・・
巖さんの見守り隊みんなで力合わせて微力を尽くしていきます。

2018年5月18日 小川秀世法律事務所に「袴田巖の壁」出現。
プラハのレノン・ウォール(ジョンレノンの壁)に着想を得たと小川弁護士。
その壁に最初に書いたのは袴田巖その人でした。
そして、書いたのが「幸せの花」


これは、2014年の静岡地裁再審開始決定を不服として検察が高裁に控訴した、高裁決定が6月11日に出されるのを前に、上川法務大臣に「検察の控訴を取りやめさせろ」という市民の声を集めるものでした。この時、弁護団も高裁が再審開始決定を取り消すなどとは思ってもいなかったのでした。後に歴史の汚点となる高裁(大島隆明裁判長)の再審取り消し決定が出されるのですが・・。
「幸せの花」って何?巖さんが書いたこの言葉、みなさんは意外だったようでした。
私は、うれしかった・・巖さんの心に届いた・・そう思って。
巖さんの慰めに・・そう思い、私はずっと巖さんに花を届けていたのでした。
巖さんの前で生けて。
ある時、大金を渡されたことがありました「花でも買えばいいよ」と。(もちろんひで子姉に返した)
2018年6月11日、高裁で再審開始決定が取り消された時、報道陣に取り囲まれて。

「再審開始決定が高裁で取り消されたんですが」と巖さんにマイク向けた静岡の報道幹事社の記者。
巖さんは「「そんなのウソなんだよ。ウソ言ってるだけなんだよ。事件がねえんだから」と答えました。
そこで私は割って入った・・いい加減にしてください!!!巖さんには裁判のことは何も伝えてないと言ってるだろーが、この無神経な奴め!!どこまで巖さんを傷つけたら気が済むんだ・・と腸が煮えくり返ったことでした。この時は私もまだ経験が浅く、今思えばこのような目に巖さんを合わせてしまったことが申し訳なく悔やまれます。

この時を境に、巖さんの意識は後退していったのでした。
そして、巖さんの「ローマに行く」が始まります。
ひで子姉さんは、「あーそうかね、ローマ行きたいんだね、よし、行こう」。
そして私に、「ローマ行くってよ」
巖さんは、とにかく新幹線に乗って出かければ納得されるようでした。
「東京の神社仏閣おすすめ20選」だの「30選」だのスマホで見て、片っ端から行きました。
京都も行きましたっけ。


熊本さんを見舞った時も「ローマ行く」と巖さんに言われてでした。
そして・・ローマ教皇東京ドームミサに招待され・・

ローマ教皇の姿を間近にしたから?この日を堺に、ピタッと「ローマ行く」のは終わりました。
「ローマが浜松に来た」のだとか。
「皇居に行く」とも何度も言われましたっけ。「自宅」と言いながら中には入れない・・これも巖さんの中ではどうなっているのかわかりませんが。
巖さんが本当に楽しそうだったのが将棋の時でした。
この頃は男性相手でも平気でしたね。
それが、ある時、ご自分が負けてしまったのを堺にピタッとやめられました。
「神が負けたんじゃ、しょうがないんだね。もう、しない」
あの手この手でお誘いしても、頑として受け付けず・・

あ、そうそう、「袴田事件がわかる会」に突然ひで子姉さんと現れたことがありました。
2018年2月18日、第6回目の時です。ビックリしました。
巖さんは以下のようなことをおっしゃいました。
「え~、世界的に悪いやつが多くてしょうがない、こういう世界じゃやれんっていうんで・・世界で1番まじめな人間がローマ法王をとるっていうんだね・・そういう世界がはっきりしてね、私がローマ法王になって変えていくんですよね」
「バイ菌が人間になっているんだ。神とバイ菌の闘いになってきた。神は私でね。一寸法師の時代になっちゃったんだ。動かすことはできんだでね」
一番は、悪をなくすということだがね・・・善であるということだね。善で生きることだね。
だから、人間を善で変えていく。どういう行動をとれ、ということを書いているんだね。
その通りに動けば善の世界だが、まだ様子を見てるんだね。
実に穏やかに、時に微笑しながら、諭すように話は続いていきました。
そして、最後には・・
みなさんも元気でやってもらいたいということだね。
自分が思うことに忠実にね。忠実に働くってことだね。
そんなことをおっしゃったのでした。
いつも考えて、考えて、ノートに書き記す姿もありました。
時には1時間も考えておいでなので、何が書かれているのか、ひで子姉さんと盗み見ると・・「袴田巖は神になった」。
このノートは巖さんの精神世界そのもの。弁護団は、裁判所にコピーを提出もしました。
いつの頃からか・・ノートを手にすることはなくなりました。
巖さんが緩んできた証でもあります。
心に堅牢な城壁を築いてそこからでてこない巖さんの「凍りついた魂」、それをどうしたら溶かせるのか・・巖さんと出会ってからそのことだけを第一に考えてきました。
3歩進んで2歩下がるの繰り返しで・・それでも巖さんの凍りは解けてきていることを実感します。
何より巖さんの心が安らかでありますように・・
巖さんの見守り隊みんなで力合わせて微力を尽くしていきます。
この記事へのコメント
見守り隊の皆様のご苦労(「苦労」が適当なのか私の語彙力では見つかりませんが)が伝わってきます。
本当に少しづつ、少しづつ心を通わされてこられたのですね。
もし私が袴田さんの近くでサポートすることになったら・・・といっても、独りよがりな気持ちになってはいないか、とか本当に必要とされていることだろうか、などやっぱり悩むことが多くなりそうです。
「幸せの花」の意味、初めて知りました。袴田さんは心が美しい方だから、生き物や花の美しさ、それを生けている方の気持ちも、何も言わなくてもちゃんとわかってらっしゃったのですね。
本当に少しづつ、少しづつ心を通わされてこられたのですね。
もし私が袴田さんの近くでサポートすることになったら・・・といっても、独りよがりな気持ちになってはいないか、とか本当に必要とされていることだろうか、などやっぱり悩むことが多くなりそうです。
「幸せの花」の意味、初めて知りました。袴田さんは心が美しい方だから、生き物や花の美しさ、それを生けている方の気持ちも、何も言わなくてもちゃんとわかってらっしゃったのですね。
Posted by まりお at 2024年08月20日 18:08
ちょうど都合のいいことに、上川陽子氏が総裁選に立候補する。当然、地元のテレビや新聞の取材を受けるだろう。その中で、再審法改正について、態度を明確にするよう質問すればいい。彼女は、外務大臣であることを理由に、これまでずっとあいまいな態度を続けてきた。しかし、総裁選に立候補するにあたって、それはできない。
まさか、いくら死刑存置派の彼女でも静岡県議会が全会一致で可決したものを「反対します」とは、口が裂けてもいえまい。うまくいけば、この問題を総裁選の争点にねじ込むことができる。
彼女は完全な泡まつ候補だ。それゆえにメディアへの露出は、少しでも稼ぎたい。おそらくひで子さんが、面会を求めたら、向こうも飛びついてくると思う。
まさか、いくら死刑存置派の彼女でも静岡県議会が全会一致で可決したものを「反対します」とは、口が裂けてもいえまい。うまくいけば、この問題を総裁選の争点にねじ込むことができる。
彼女は完全な泡まつ候補だ。それゆえにメディアへの露出は、少しでも稼ぎたい。おそらくひで子さんが、面会を求めたら、向こうも飛びついてくると思う。
Posted by とりすがりの at 2024年08月21日 23:16
前回と今回の巌さんの周囲の方の見守りの日々、素晴らしいですね。幸せの花ですか、優しいですね☺️
最近旧日本兵が日本に帰国後の話をネットで見ました。巌さんは拘禁症でしたね、全く違うものなんですが、ふと巌さんの事を思い出したんです。行く前と性格が変わってしまった。周りの人とあまり話さない、幻聴が聞こえ怯える等、色々書かれてました。戦争は短期間で加害者、被害者両方行って、巌さんは被害者のみ、期間も長く、囲われ等、全く違うんですが。
最近旧日本兵が日本に帰国後の話をネットで見ました。巌さんは拘禁症でしたね、全く違うものなんですが、ふと巌さんの事を思い出したんです。行く前と性格が変わってしまった。周りの人とあまり話さない、幻聴が聞こえ怯える等、色々書かれてました。戦争は短期間で加害者、被害者両方行って、巌さんは被害者のみ、期間も長く、囲われ等、全く違うんですが。
Posted by さくら at 2024年08月22日 20:31