袴田家物語

あれ、巖さん、お客さん用のスリッパ履いてる・・めずらしい




「イワオさんのスリッパどうしたんですか？」

（返事は時間がかかります）
「・・・ぬれたんだ」

「あれ、そうなんですか。では、立てておきましょう」


「どうして・・ぬれたのかなぁ・・」（女中のつぶやき）

（巖さんの返事は忘れた頃にくる・・）

「だれか入って来て、やったんだ。ぬらしたんだな」

「え？だれも家の中には入ってきませんよ」

「悪さするやつ、バイキンが家の中に入ってきてやってるんだ」

「バイキン」復活
しばらく巖さんから聞かなかった「バイキン」

巖さんにとって不都合なこと、困ったことは、全て「バイキン」の仕業と考える巖さんの妄想・・

「バイキン」は、悪者です。巖さんの命をも狙っているとか。

巖さんは大真面目です。

考えてもみてください、家の中に姿を見せずに悪さをする奴が入ってくることを。

恐ろしいことではないですか！

巖さんは、しょっちゅう玄関や窓を確認して鍵を締めます。

釈放されて10年も経つのに、まだ自宅内ですら警戒しているのです。

この妄想から解放される日がくるのか・・無罪判決がでたら開放されるのか・・

巖さんが死刑えん罪で被った精神のダメージは、いまだに巖さんを苦しめています。

今、癒やしに最も貢献しているのは・・もしかして猫たちかもしれません。
ブログ書く邪魔してますが・・


殿は・・ひで子姉さんにべったりですが・・↓