袴田家物語

ひで子姉さんは、巖さんに再審無罪判決が出たことを分からせたい！

朝6時、コンビニまで自転車走らせ新聞を買ってきたのです。

静岡新聞を巖さんに見せて・・

「ほら、ね、これ、あんた（巖さんの顔写真を指差して）。袴田さん再審無罪。証拠三つの捏造」


「こっちの新聞も、そっちも・・・あんたの言う通りになった・・・あんたが手紙に書いてきた通り・・・よかったね」


すると、巖さん・・

突然、あの独特のサインを出し始めました。
マル


チョキ


パー


久しくでていなかった巖さんのサイン・・心に波風が立つような時にだされるように思います。

「ね、再審無罪」・・ひで子姉さんは何度も言って聞かせますが・・

熱がこもる姉さんとは対照的な弟、巖さん。少しも嬉しそうではありません。何か考え事のよう。


巖さんの目にはどのように映るのでしょうか・・

耳に届いているのでしょうか・・

絶望的な死刑冤罪、34年間も死刑囚として生きた巖さん・・

出鱈目で耐え難い現実を捨てて妄想の世界に移っていった巖さん・・

私たちのところに戻ってきてくださるでしょうか・・。

ひで子姉さんの告知は続きます。