2021年01月06日
50年以上前の記憶を辿って走る・・袴田巖さん
女の子たちから贈られた花束で、巖さんの部屋も華やかになりましたね。
「イワオさん、調子はいかがですか」
「もう、終わったからね。終わったんだ」
闘いが終わったということか・・。
「よかったですね。ゆっくりしてください」
そして、昼食後、階下には見守り隊が待機しています。
巖さんは支度して、さて出かけるかというその時・・私に
「浜北に行くんだ。やまやがどうなってんのか、見にいってみましょう。車で行くからね」
浜北くらい、お安い御用です。
「かしこまりました~」と言ったはいいけど、「やまや」って何?山々?
そしたらひで子姉さんが、「あ~、やまやって、味噌醤油醸造のとこがあったのよ。電車にのると、小松のあたりからずーっと工場が見えて‥西ヶ崎んとこから笠井街道行けばあると思った」。
5~60年まえの話。今もあるのかな・・醸造ならあるかも。
ということで、巖さんを助手席に、出発~

しかし、それらしきは見当たりません。調べて行けばよかったですね

横の巖さんを見ると、なぜかニコニコ。
ニコニコ訳をお聞きすると
「菌はもう出れんくなってるんだね。弱くなっちゃったからね」
やっぱり、「菌」の世界。でも、巖さんがニコニコだと、私はうれしくなります。
ここまで来ると、もう岩水寺に行くしかない!巖さんの少年時代の遊び場です。
そして、2018年高裁で再審開始決定を棄却された時に行っていたところ。
早速、参拝に来ていた方々から声をかけられました。有名人です。
女性は、「もう、ずっと応援していますから。本当に、心から応援していますから」。
「よかったですね。お体お大事にしてください」「えっ、袴田さん、まぁ、お会いできてうれしい!」
魚いるかなぁ・・川をのぞいて・・昔はたくさんとれたかと。
もうひとつ、子供の頃遊んだという神社に
帰りに、ちょっと道草・・
お客さんが誰もいないお店でコーヒーを

「やまや」は見られませんでしたが、帰るといつものようにひと仕事終えたというふうの巖さん。
最高裁決定が出てから、周囲の空気が「よかったね~」に変わっていることを、巖さんは感じていると思われます。
以前の、何が何でも街に出かけなくては!という切迫感が薄らいでいる気がします。
巖さん、もう、がんばらなくていいですから。