2020年07月28日

第33回「袴田事件がわかる会」続報2 熊本典道裁判官

浜松にもクラスター発生!感染者の数が一向に衰えないコロナ禍、みなさんの所は如何でしょうか。

さて、間を空けてしまいましたが、前回の続きです。

1966年巖さんが逮捕され連日の長時間拷問的取り調べも、いよいよ勾留期限を迎えた9月9日。この日の深夜に検察は起訴状を提出したのですが、その起訴状の内容と、その数時間前に検察官が巖さんを取り調べて書いた調書(検面調書)の内容が違っている。

普通、その様な事はあり得ない。なぜなら、検面調書は起訴状の下敷きだから。

小川弁護士は、9月9日の検面調書の日付は偽造されていると主張。

裁判では、この調書だけが証拠として採用されたのです。

当時、1審の主任判事であった熊本典道元裁判官が、2007年に衝撃的な告白をします。

自分は無罪の心証を持ち無罪の判決文を書いていたが、多数決で負けて死刑の判決文に書き直した。袴田君は無実だ、というもの。

小川弁護士は、熊本典道氏に、何故1通だけ証拠採用したのか、直接聞いたそうです。

答は・・「有罪にするため必要だった」。

これについて、熊本さん自ら語っているものを以下に紹介します。
ジャーナリストの青柳雄介さんが2007年に熊本典道さんにインタビューしたものです。
(読みやすくするため、段落は私)
第33回「袴田事件がわかる会」続報2 熊本典道裁判官


「自白調書は全部で45通あって、本当は全部蹴ったんですよ。でも実際は44通に任意性がないとしました。

本当はゼロにしたかった。

ただ1通だけを譲ったのは、刑事訴訟法学上、「認めるべきだ」という説が有力だったんです。ぼくはそれに捉われなかったんだけど、1つを譲ったということです。

取調べは連日、20数日にわたり、毎日長時間におよんでいます。ぼくにしてみれば「何でこんなにしつこく毎日毎日調べていたんだろう?」と、手続きの違法性だけじゃなくて思った。

ということは他に確たる証拠がないんじゃなかろうか、という疑惑が起こってきた。

検事に言わせると、「熊本裁判官は予断を持っている」と言う。

そのときぼくは、「被告人に有利な予断は別にいいじゃないですか」と言ったところ、

「その発言は気に食わない」なんて言われたけど。

いくつかの確たる証拠、また、それに近い証拠がいくつもあれば、そんなに連日取り調べんでもいいだろうということですよね。

だから、ぼくの心の中の信用性に影響するわけですね。

自白以外に結びつけるキーポイントの証拠、直接証拠はもちろんないし、自白を裏付ける証拠らしきものも出ないの。後に問題となる「5点の衣類」以外はね」

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もっと知りたい方は、「袴田さん支援クラブ」のHPへ
右 http://free-iwao.com/what/confession/

この「9月9日の検面調書」がなければ、巖さんは起訴されなかったでしょう。

それだけに、この度の小川弁護士の指摘は重い。









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