袴田家物語

「おかげ朝市」映画会は・・日曜の朝だもん、食べながら、飲みながら、お気楽に映画！なんです。

今回の映画は、環境活動家であり科学者、哲学者のヴァンダナ・シヴァさんを 辻信一氏が訪ねたときのドキュメンタリーです。



ヴァンダナ・シヴァさんは、現代社会経済の問題点を指摘していますが

中でも・・

「種の自由無しに、人間の自由は無い」
種が巨大企業に独占されつつある現状に警鐘を鳴らしています。

農家でない方は、何のことかピンとこないかもしれませんね。

実は、種の問題は世界の食糧の大問題なのです。

以前、「遺伝子組み換えルーレット」上映会の折にもご紹介しましたが
今、種が危機に！

自然は、植物の種がこぼれて翌年にまた芽吹き再生されていくことをくり返しています。
作物も、種を採って翌年その種を蒔いて作物を作り、また種を採って・・をくり返せば
ずーっと土地に根付いた作物を作り続けることができます。

ところが、モンサントなど遺伝子組み換え種子を売っているグローバル巨大企業に独占されると
農家が種を採ることが禁じられ、種は高いお金を払って買うしかなくなります。
しかも、種子消毒といってあらかじめ農薬がついているものや遺伝子組み換えされたものです。

これにより、昔から地域で受け継がれ採れていた作物はなくなります。
みなさんの地域にも、ありますよね、たとえば、数限りなく様々な野菜が。
たとえば・・篠原の玉ねぎだの、窪田のナス（あ～これはローカル過ぎるかぁ）だの。
そういうの、ぜ～んぶなくなるって話です。
なんだか想像すると気持ち悪くなりますね。

売っている種が、何か問題が起こって手にはいらなくなったら・・終わりです。
だって、種がないんだから栽培できない！食糧危機です。

遺伝子組み換え種子が起こす悲劇について、種が高騰してインドの綿花農家２７万人が自殺に追い込まれたとヴァンダナ・シヴァさんは一例をあげています。

「ヴァンダナは種を守る　遺伝子組み換えに抗して」
映画では、彼女が創った「種の学校」も紹介されています。「種子バンク」もあります。


学校には、世界中から多くの若者が集う。

なぜ人間のことを考えるだけではいけないのか？

ヴァンダナ・シヴァさんは、それは人間も生命の織物の一部だから。生命の織物の一部だから、私たちの健康は織物が健康かどうかにかかっているとしてアース・デモクラシー　地球民主主義という考えを示します。

「自分の健康も幸せも　みんな他者に依存している」

毒性遺伝子や農薬漬けの食品を拒否し、暮らしやコミュニティを守りましょうと結んでいます。

映画の内容は「お気楽」なものではありませんでしたが、映画終了後のシェア会では
みなさん、観てよかった！との感想でしたね。

「ヴァンダナ・シバさんのにこやかな笑顔が、難しい話題に人をひきつける」

「今年はじめて自分で採った種を２０人余りの人に分けたが、こういう意義あることだったんだと感動している」
（これは、我が家庭菜園クラブのメンバーの方でした）

「多くの人が家庭菜園でも種をとればいい」などの声も。

私が印象的だったのは、こういう危機をいち早く察知して行動するのはいつも女性たちだ、とヴァンダナ・シヴァさんが最後に言ったことです。
女性は「鉱山のカナリアのように警鐘を鳴らす」と。

産み育てる性の本能ではないでしょうか。

映画の後のワークショップも「種」でした。

実際に自家採取している自然農農家の方の話。


色々な種採り用のを持ってきて見せてくださいました。












長くなりましたが、「マイクロシアターねこの会」では毎月「おかげ朝市」で上映会をしますので
みなさん、ぜひぜひおいでください。（キッチンガーデンも「ねこの会」です）

上映する映画が決まったら、またお知らせします。

これも、あれも、と、上映したい映画がたくさんあって迷っています。