2020年12月31日

大晦日は「山梨へ行く」袴田巖さん

袴田家に支援者からお節が届きました。いいことあった(最高裁決定)からと、鯛の尾頭付き。




作りたてだから、食べちゃいましょう!・・ということに。わっはっは。


そして・・その後です・・

「今日は、山梨だ。山梨に行くから」と巖さん。

「山梨?行ったことあるんですか?」

「ない」

「どうして、山梨ですか?」

「ぶどう・・だね。山梨はね」

「ぶどう、買いに行くんですか?」

「東京に近いから、山梨のほうがね。浜松じゃ遠くてしょうがない」

「・・・あの、寒波きてるので、山梨は雪が降ってますけど」

「フフフ、そんなもん、行ってみなくちゃ、わからんよ」

うーん、行くしかない。たぶん、巖さんは車に乗るのが好きになった気がします。

「イワオさん、車、お好きですか?」

「まぁね・・電車よりはいいわね」

やっぱりね。

「ちょろっと回って帰ってくりゃいいよ」というひで子姉さんに見送られ、出発車
山梨ねぇ・・・なら、いつもと違う道を行ってみましょう。

通り道にあった井伊谷宮。

「寄っていきますか?」

「寄っていきましょ」




新東名引佐インターから新静岡インターへ。静岡市内を抜けて、今度は東名へ。

トイレ休憩・・のつもりが・・


急に笑だされて・・


「イワオさん、どうしました?」

「え~、菌が腹を切るってんだ」

巖さんが笑い出す時は、いつも「菌」が「負ける」状態になるときです。
いつも菌と対峙しておいでのようなのです。

車を走らせてから聞いてみました。
「イワオさん、菌は腹切りましたか?」

「それが、なかなか切らないんだ」

「そうですか。でもイワオさん、もう菌はいないから安泰ですよ」

「だんだんね、そうなってきたんだね」

今日は、また5時間のドライブでした。

この様に、生活の様子がつぶさに明らかにされている重大事件当事者は他にいません。

私が「袴田家物語」をお届けしているのは、みなさんに袴田巖さん、ひで子さんのことを、少しでも身近に感じて頂きたいという思いからです。

今年は、最後の最後に希望が持てる最高裁決定が出て、ほっとしました。
クラウドファンディングでのご支援はじめ、皆様の応援が力になったと信じます。

皆様、応援ほんとうにありがとうございました。


来る年が、皆様に良い年でありますように・・。









  

2020年12月30日

袴田チャンネル 宮本弘典教授登場



「自白裁判」の歴史について述べられています。

戦後、GHQとの約束通りに刑事司法改革がなされていたら、「袴田事件」という裁判が果たして存在したのか、と宮本先生。

するわけない!

えっ、どうして?

これ見れば、わかります。→https://www.youtube.com/channel/UCqlu_zQAcuZkoHv-b4OT7bQ/videos?view_as=public

宮本先生の熱い語りに引き込まれて、時を忘れて聞き入ります。
最後の最後まで、離れられません。

正月休みに、宮本先生をスタートに、ぜひ袴田チャンネルのハシゴをしてください。




  

2020年12月30日

フランス・フィガロで報道 袴田事件最高裁決定

12月26日のブログに「袴田家にフィガロがやってきた」という記事をアップしましたが、その時に取材した記事がフィガロに掲載されました。

今朝、記者から記事が送られてきたので、みなさんご覧ください。
(フランス語堪能な方、和訳送ってくださ~い)




人権意識の強いフランスでは、袴田事件への関心が高いとのこと。

昨日は、イタリアへもひで子姉さんのビデオレターを発信しました。

世界が「袴田事件」を注視しています。





  

2020年12月29日

幻の「ハカマタ拳」に向う

「不二拳に行くからね」
(不二拳とは、巖さんがプロの時に所属していたボクシングジム不二拳闘クラブのこと)

「えっ、不二拳ですか?」

「あ、不二拳はもうないか・・ハカマタ拳だ。ハカマタ拳、行きましょう。正月は、ハカマタ拳で迎える」

・・・ということで、幻の「ハカマタ拳闘クラブ」に向かって走り出しました。

車中では、黙~って景色をご覧になってます。

会話といえば・・
「イワオさん、車の中、暑いとか寒いとか、どうですか?」

「うーん、どうなんだろうね・・」

「ちょうどいいですか?」

「はい、ちょうどいいです」と、こんなもん。あとは、私が歌など口ずさんでおります。

日本坂SA。今日は、霞がかかり富士山はぼんやりでした。



巖さんは、いつも自販機で飲み物購入後、何か独白のよう(聞こえはしない)。
「勝負してる」とのこと。巖さんの世界です。



とにかく、どこかへ行かなくては・・。なんとなく・・行った先は浅間神社。
先日、ひで子姉さんが「行ってみるか」と言ったのですが、東名事故で行けなかったところ。



帰りに休憩したSAで。

「お蕎麦かなんか」と言われたので、桜エビかき揚げ蕎麦を食べて・・
(自分も食べるのに夢中で写真撮り忘れたガーン

ビューンと車を走らせて、無事帰宅しました。約5時間のドライブ。

幻の「ハカマタ拳」には行ってないのですが、普段の巖さんに戻っているので、ホッとしました。

実は今日、お客さんがきて、巖さんから昔のボクシングの話を聞きだしました。

古い記憶を呼び覚まされた巖さんは、精神が不安定になったのです。

とてもデリケートな巖さんです。

巖さんに、昔の事や事件の事は質問しないでほしい・・。












  

2020年12月27日

袴田チャンネルに「弁護団緊急声明」アップしました

みなさま、YouTube袴田チャンネルはご覧頂いてますか。

今日、また新しいのをアップしました。


袴田チャンネルはコチラ→https://www.youtube.com/channel/UCqlu_zQAcuZkoHv-b4OT7bQ/videos?view_as=pub

録画後・・

ひで子姉さん、呼び出してみようよ~という話になり・・「おねえさ~ん」と呼んだら・・

「はいはい」と登場して・・
「え~~、なに~ひで子さん、こんなことできるの?」と、ビックリした小川弁護士。



二人の会話は・・・ひ・み・つひみつ

実は、ひで子姉さんが巖さんも呼んできて、「イワオさ~~ん」と手を振ったのですが・・

「こんなもん、しょーがない」と行ってしまったのでしたガーン

ま、しょーがないですね、確かに。



  

2020年12月26日

袴田家にフィガロがやってきた

「フィガロ」は、フランスの新聞です。パリ最古の日刊紙。
最高裁の決定が出て、袴田事件の記事を出すとのことで、取材に。

「どうも~、覚えてますか。12年前かな、後楽園で一緒にボクシングの試合見たんですよ」と、日本語を話す記者。

「あ~、はいはい、どうも。よくいらっしゃいました」と、ひで子姉さん。(覚えてた?)


あれ、通訳なし?と思ったら・・通訳の方はコンピューターの中。今どき・・ですね。


やっぱり違うフランス・・ズバズバズバッ、質問が。(ひえ~と内心私はドキドキ)

それに、バシバシバシっと答えるひで子姉さん。

「12年前と全然変わらないですね」と言われました。

「フランスでは、影響力ありますからね」と記者。
フランスでも袴田事件への関心が高いのだそうです。

袴田事件について、さらに今回の最高裁決定を、フランスのみなさんはどう思うのでしょうか・・。

来週か再来週、記事になるとのことですが・・当然フランス語です。

さて、昨日まで「東京へ行く」と繰り返しておいでだった巖さん。

今日から(たぶん)、浜松の街「パトロール」、いつもの「仕事」にお出かけ。


手を振っているのは、見守り隊の女性。

いってらっしゃーい!





  

2020年12月26日

袴田事件弁護団声明 最高裁決定について

袴田事件弁護団から声明が出されました。以下の通りです。


袴田事件弁護団声明


最高裁判所第3小法廷は、令和2年12月22日、検察官の抗告を容れて袴田巌さんに対する再審開始決定を取り消した東京高裁(大島隆明裁判長、菊池則明、林欣寛裁判官)の判断を「著しく正義に反する」として取り消し、審理を東京高裁に差し戻す決定をした。

裁判官5名全員が、東京高裁の決定を違法として取り消すことで一致し、内3名は東京高裁へ審理を差し戻すべきだとし、内2名は直ちに再審開始をすべきだとした。裁判官の意見が割れた中での多数決による決定だった。

弁護団は、ここに、東京高裁の決定を取り消す判断をした最高裁、特に、再審開始の確定を強く求めて異例にも反対意見を述べた林景一、宇賀克也両裁判官に対して、深い感謝の気持ちと敬意を表明する。

林景一・宇賀克也両裁判官の意見は、公平かつ公正に証拠を評価した、正に人権の砦たる最高裁にふさわしいものであるだけでなく、国民の目線に立った優しく血の通った意見である。

これまで弁護団は、最高裁に対し、いたずらに時間を引き延ばすことなく、即座に再審開始の決定をするように求めてきた。 残念ながら、多数意見を説得し切れず、この願いは叶わなかったが、再審開始に向けた動きが強まったという意味では意義のある結果となった。

本件では、確定審の静岡地裁で主任裁判官であった熊本元裁判官が、本人が無罪心証を抱いていたのにもかかわらず、多数決で敗れたことを告白している。今回の最高裁決定でも多数決によって再審開始が確定するには至らなかったが、これまでに熊本元裁判官、開始決定を出した静岡地裁の裁判官、今回の決定の2名の最高裁裁判官という何名もの裁判官が袴田さんは犯人ではない可能性があると判断しているのである(多数意見の最高裁裁判官も確定判決に少なくとも疑問を抱いていると思われる)。「疑わしきは罰せず」という刑事司法の原点を持ち出すまでもなく、袴田さんの無実はゆるぎないものとなりつつある。

本件については、日本国のみならず、世界中が注目しており、袴田さんを死刑囚として連れ戻すことは、もはや不可能であることを、裁判所及び検察も肝に銘じるべきである。

弁護団は、袴田さんの無罪を勝ち取るため、また、支援者・国民の皆様や上記5名の裁判官の良心に基づく勇気ある決定に応えるためにも、近く始まる東京高裁の審理において、最高裁多数意見のDNA鑑定の評価についての誤りを正し、みそ漬け実験の新証拠としての価値を確信させるべく全力を尽くす所存である。

2020年(令和2年)12月25日

               袴田事件弁護団団長 西嶋勝彦





袴田事件弁護団HPはコチラ→https://hakamada-jiken.com/









  

Posted by 袴田家物語 at 09:11Comments(0)

2020年12月25日

東京は果物の世界 続く

今日は取材もないし、静かになった袴田家。

巖さんも、通常に戻られるでしょう。

そう思っていたら・・

「東京に行くからね」

えっ

「昨日行かれたじゃないですか」(本当は行ってないから後ろめたいですけど・・)

「3日行くことになってる。果物の世界がどうなってるかってことだ。見に行く」

今週、月曜、木曜と2日車で出かけたけど、あと1日?今日か・・」

「行くぞ」・・・どんどん階段下りていく巖さん。私をおいては、「東京」行けないと思いますがガーン


ひで子姉さんにはお客さんがあり、巖さんと二人で出かけました。

「東京」だから、昨日と同じく東名高速で東へ。巖さん、車で走るのがお好きなんじゃないかなぁ。


















トイレ休憩でしたが、トイレだけでは済みませんね・・

「選ぶ」ということは獄中ではできなかったからでしょう。巖さんは「選ぶ」のに時間がかかる。
けど、あえて選んで頂きます。めずらしく、「味噌ラーメン」でした。もしかして、「味噌」初めて?


違うサービスエリアで・・好物のパン選び。視線の先は、コロナ、じゃなかったコロネ。


買ったパンを駐車場の車の中で食べました。


なんだか不思議な感じ・・2014年3月の衝撃的なニュース、無実なのに48年も獄に囚われてきた人、一体この人どうなるの・・人生滅茶滅茶にして誰が責任とるの・・そう鳥肌が立つような恐ろしい思いで見つめたTV画面の中にいた人が、私の車に乗って、隣でパンを食べている・・私の生活のど真ん中にいる・・人生、こんなに変わることってあるんだなぁ・・と、しみじみ思ったことでした。

今日、静岡も浜松も道路は大渋滞でした。
が、巖さんはイライラするでなし文句ひとつ言うわけでなし。本当に静かな方です。

「おかえり~」とひで子姉さんに迎えられ、「東京」行きは終わり。


このひで子姉さん、私たちの留守中にパソコンでズームの使い方教わったとか。

「もう、わかった!もう、できる!簡単だよ、あんなの」

最高裁決定が出てから、ますます勢いついてますよちょき








  

2020年12月24日

東京は果物の世界

袴田家には、決定翌日の巖さんの街歩きに同行取材したいと記者のみなさんがやってきました。


みなさんには外で待っててもらったのですが、巖さんが「東京に行く」と言い出されたので、家での取材に変更。

実は、巖さんの気持ちが変わって、いつもの街歩きになるかも・・という下心もひみつ

記者からは、「何しに東京へ行くんですか?」と問われ・・

「果物の世界をとりに行くんだ」と、巖さん。

一同、???

「東京は果物の世界だからね」

さらに???

「では、仕事に行きましょう、暗くならないうちに」と私。

すると、巖さんは私の目をジッとみて・・「仕事って、どこだ」

「街です」

「東京に行かにゃ、しょうがないんだ」

「行けば死滅する。行かなきゃだめだ」(これは、たぶん、菌=悪の話)

そんなわけで、記者の皆さんに見送られ、巖さんを乗せて、また3人で東名高速を東京方面に走りました。
(3日前も走りましたっけ)

ひで子姉さん、「静岡の小川先生のとこに行ってみよう」。

ガッテン承知の助。

ですが・・なんと、静岡まで行けない!火災のため焼津で通行止め。

も~渋滞。しょうがなく、インター出てUターン。

牧之原SAで休憩です。

「ラーメンかなんか・・」というわけで下ひで子姉さんは間食しません。見てるだけ。


美味しそうにラーメンすする巖さんを見て、うれしそうなひで子姉さん。


巖さんから、もう「東京」は消えたのかな・・そっとしときます。

渋滞で、家についたときは、もう真っ暗。巖さんは、いつもの巖さんです。

昨日今日と巖さんの身辺がざわついたし・・その影響で「東京」だったのでしょうか。

巖さんの世界は、わかりません。

ただ、気分よく過ごしていただくよう努めるだけです。

明日は、どうなるかな・・。







  

2020年12月23日

弁護団記者会見は袴田チャンネルでご覧を!

袴田チャンネルに、記者会見の動画をアップしました下
https://www.youtube.com/channel/UCqlu_zQAcuZkoHv-b4OT7bQ/videos?view_as=public
ご覧くださいませ~。












ひで子スマイル