2022年11月30日

袴田巖さん日記 「東京タダの世界へ」

いつもお昼ご飯を巖さん、ひで子姉さんと一緒に食べるので昼前に袴田家「出勤」の私。

車で走行中にひで子姉さんから電話です電話

「イワオがさ、東京へ行くって、駐車場で車くるの待ってるよ」とのこと。

午前中に出かけることなどここ数年なかった巖さんです。どうしたのでしょう・・。
また何か妄想の世界で逼迫した事態が起きたのでしょうか・・。

「そちらに向かってます~」と返事したはいいけど、遠くて到着まで時間がかかります。

他のメンバーに電話しても、みんな近くにいないガーン

30分後に袴田家駐車場に着くと、ひで子姉さんが首を長くして待っていて・・

「イワオは、あそこだよ」

指さす方を見ると、道との境の縁にポツンと腰掛けている巖さんの姿がありました。
(写真に残せばよかった・・気が回らず)

それを見て、切なくなった私・・。

「イワオさ~~ん、お待たせしました~」と叫ぶと、振り向かれ・・おもむろに立ち上がられ・・こちらに。

思わず、「遅くなってすみませんでした。行きましょう」と、巖さんの背中を撫でながら車に。

巖さんはほっとしたような穏やかな表情です。

「どちらに行かれるんですか?」

「東京」

「何をしに行くんですか?」

「え~東京のね、駅のあとがね、タダの世界になったっていうから、それを見に行くんだね」

荒唐無稽の話のようですが、「最高権力者」の巖さんが、全ての人が生活に困らないよう食べる物、着る物、その他必要な物全てがタダで手に入る世の中にした、それが東京で実現している(させた)から見に行く、そういう話と思われます。何度も巖さんから聞いています。

巖さんが考えているのは、善だけの世界、そして世界中の人が平和で食べるに困らない理想社会を実現させるということのようです。

死刑冤罪、その極限の苦悩苦悶の果てに到達したのが個人的な利害を突き抜けたこの崇高な地平。

これが袴田巖という人だ・・

そんなことを考えながら・・・しかし現実は現実で、東京へ車でお連れすることは叶いません。

気分を変えなくては・・

「イワオさん、私、朝から何も食べていないんですよ。お昼も近いし、一緒に焼きそば食べてもらってもいいですか」

「あっそう。いいですよ」

と、いうわけで中華レストランへ。

「おいしいですか?」

「うん、おいしい」

ちょうど食べ終わったところに、本日当番のKさん登場。巖さんに挨拶して交代。

以下、K報告一部です。

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車に乗られて「東京へ~」と、言われるかと思いきや、無言。

とりあえず静大工学部へ~「巖さん、袴田大学です」と言って中へ~。

いつもの校内ベンチ~大学出口信号待ちの時も無言。とりあえず~浜松駅方面へ。

いつものコースを歩かれて帰宅。

「巖さん、着きましたよ」  「はい、どうも」。

夕方は、やはり冷えて来ますね!巖さんに、カーディガンおすすめしましたが、 着られませんでした。

東京行きは、巖さんの中でどうなったのかな?ま、いいか!

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妄想の世界にいる巖さんと折り合いをつける日々です。

  

2022年11月28日

YouTube「袴田チャンネル」 に石塚伸一法学部教授・弁護士「死刑の重み」



死刑制度があるか限り、学者・弁護士として一生重荷を背負い追求し続けなければならないと語る、石塚先生が直面した驚くべき死刑事件・・・。

どうぞご覧ください。

袴田チャンネルコチラ→https://www.youtube.com/watch?v=8FAPVIrlM7g

  

Posted by 袴田家物語 at 12:26Comments(0)袴田チャンネル

2022年11月27日

袴田巖さん日記 陣中見舞いに小川弁護士事務所へ

巖さんの弁護団は、大忙しですパソコン
高裁への最終意見書提出を12月2日に控えているからです。

巖さんを乗せて、陣中見舞いに行きました車

「え~~~、なに~~イワオさん、来てくれたの~」と、小川秀世弁護士(袴田事件弁護団事務局長)が出ていらっしゃいました。
あれ、いつの間に目巖さんの手を握っておられるニコニコ

さらに、弁護団の「味噌漬け実験」をリードした支援者の山崎俊樹さん、楳田さんの顔も。

「イワオさん、あがって!あがって!」と言われた巖さんは、「いや、行かなきゃならんから」。
男ばかりが前にいて・・ちょっと面食らったかもしれませんひみつ

お邪魔をしてもいけないので、激励して先へ車

静岡浅間神社は久しぶり。七五三のイベントがあったようでした。


参拝。何を思って手を合わせておいでなのか・・。

巖さんの願いが叶いますように・・・。


  

2022年11月25日

「袴田事件がわかる会」参加者リポート

毎回ご参加のKさんからリポートが届きました。

どんどん進化していき、今回は2面もありますグッド





すばらしい~~びっくりですよね。

Kさん、いつもありがとうございます。
(もう、「わかる会」広報部ですねキラキラ私が書かなくてもいいわ・・なんてキャー



  

Posted by 袴田家物語 at 09:51Comments(0)袴田事件がわかる会

2022年11月25日

第60回袴田事件がわかる会 YouTubeにアップしました



YouTube「袴田チャンネル」はコチラ↓
 https://www.youtube.com/watch?v=bVdrf_37CxE

長い長い支援活動の歴史です。
40年以上弁護団と共に強力な支援活動を続ける山崎俊樹さんの報告、ぜひご覧ください。






  

Posted by 袴田家物語 at 09:39Comments(0)袴田事件がわかる会

2022年11月24日

英『エコノミスト』が袴田家にやってきた!

「コンニチワ~、ハママツはアタタカイですね~」

ニッコニッコしてやってきたのは、イギリスの『エコノミスト』誌です。


取材を終えると、袴田家のグランドピアノでジャムセッションピアノ音符


記事にしたら送ってくださるとのこと。

死刑えん罪・袴田事件が、また世界に報道されます。





  

2022年11月24日

毎日新聞朝刊に「袴田事件がわかる会」記事



静岡県版です。静岡は地元だけあって報道も頻繁です。

毎日新聞、久々登場の巖さんちょき

歴史に残る大冤罪事件です、ジャンジャン報道して下さ~~いバイバイ




  

Posted by 袴田家物語 at 09:29Comments(2)袴田事件がわかる会

2022年11月23日

袴田巖さん日記 「浜松の水族館」へ

「勤労感謝の日」、みなさま如何お過ごしでしたでしょうか。
(いまいち意味がわからない祝日ですが・・ガーン

浜松は雨の一日雨

昼食後、窓を眺めている巖さんに、「今日は雨ですよ」というと・・「雨だね」。「でも巖さんは車に乗っているから、雨でも大丈夫ですよ」「車で、濡れんからね」・・「お迎えの車きてますよ」「あ、来てるの?」

それが、どうした?と、思われるでしょうか。

巖さんとの会話がだんだん自然になり、巖さんのほうから私たちに何か言われることも出てきた!

話しかけても無反応で聞こえているかどうかわからない(巖さんは別の世界(妄想)に)日々を経てのことで感慨無量です。

それでは、以下に見守り当番報告(一部)です。

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巖さん乗車。何も言われないので静大へ行くつもりで発車したが、・・

「浜松に水族館ができたって言うじゃないか!そこへ行ってください」びっくり

「水族館?」

「水族館だから、海の近くなんだね」

復興会館前に一時停車・・・「水族館の場所を調べるのでちょっと待ってくださいね」

「いいですよ!」

浜松にあるの?・・・ありました!弁天渚園の横に。電話をして確かめました。

では、向かいます。

「どんな魚がいるんでしょうか?」「楽しみですね!」いろいろ声かけしましたが、着くまで無言ひみつ
まだ建設中のような水族館に着きました。中も工事中。

先ずはトイレ。小さい水槽から大きいのまで、浜名湖の魚から金魚までいました。
「イルカはおらん!」・・しゃれなのか、そこらじゅうに貼ってありました。


大きな水槽前(写真2枚目)で写真を撮りますと言ったら、『落ちるからダメだね』と言われちゃいました。
確かに!

小さめの前でVサインを。






2階建ての小さな水族館でしたが、珍しい魚があるので、じっくり覗いたりと、巖さんも十分楽しめたのでは、ないでしょうか?

その後、リゾートホテルが見えたので、『巖さんがいつも行く所ですね!寄っていきますか?』と指したら、『どうしようかなぁ~』との返事。

角の信号待ちで・・『タツの世界だから、寄って行こう!』

そろそろトイレが心配だったので、良かったです。

やはり先ずはトイレ。そのあと、スイスイとティルーム入られた。慣れてますね!

『白いマカロニに、コーヒーを付けてもらわなくちゃ!頼んでください』と、巖さんびっくり
私もコーヒーをいただきました。

今日は食べ過ぎかな?心配でしたが、何事もなく帰宅。
駐車場でひで子さんに電話。上で待っていてと言っても、いつも下りてくださるので、ありがたいですが、暗いし寒くなるので、心配です。

17時を過ぎると、だいぶ暗いです。ドライブは、16時半ごろまでには帰りたいですが、なかなかそーもいきませんね!

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2022年11月21日

袴田巖さん日記 「東京行かにゃならん」

昼ご飯の後・・・

「今日は、東京へ行かにゃならん」と、巖さん。

「東京には何があるんですか?」

「何があるかって・・それは、マナトだよー」

「マナト」・・鳥だということで、何度か言われていますが、何なのか分かりません。

担当者に伝えたものの・・さぁ、巖さんをどこへお連れするか・・以下、報告一部です。

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今日の巖さんどうしても頑として「東京!」なのでした。

雨がやっとやんだところ、風も強いし肌寒い。どこかへ行っても濡れてたりするだろうし、駅から一周ならいいのに、と思う。

ひで子さん、待子さんに見送られ出発。

「東京」と言っておられるけど、浜松駅の駐車場にとりあえず入ってみよう。そうすればそこから歩かれるだろう、と予測して。
混んでいて、入るのにはだいぶ待ったがすぐに巖さんにも降りやすい場所に停められる。よかったな、と助手席側ドアを開けて「どうぞ」と声をお掛けしますが不動です。あれ?

「東京へ行くんだから。降りちゃダメなんだよ」 と、巖さん。

なんだか圧倒され、「失礼しました。車で行くんですね」と、駐車場から出る。

磐田の見付天神に向かうことにする。東向きだし、川を渡って行くし。

到着すると今度は車から降りられるのでほっとする。


まずトイレに向かう。
外で過ごすには上着が必要かとジャンパー着てもらい、「あちらに牛もいます。行ってみましょうか」と本殿の方案内しようとすると・・

「帰りましょう。東京に行かにゃしょんない」。さっさと駐車場に戻られる。

「私は東京には行けません。遠いし、遅くもなるし。」と、本当のことを申し上げる。

「東京に行かにゃ。遅くなったって泊まれば」と、切実に東京行きを訴え続ける巖さん。
表情も険しい。

ここからずっとお互い無言でご自宅を目指す。一応往路とは道を変えてみた。

浜松駅近くになり・・
「お姉さんも待っていますし、お家に帰ってもいいですか?」

やっと!「はい」と、柔らかなお返事もらえました。

どこへも寄らずに早めに帰宅。

玄関で思わず、「巖さん、東京に辿り着けなくてすみませんでした」と挨拶。

「あ、どーも」と返してくださる。

私は今後、「東京に行く」と指示されてもはっきりと最初から「行けません」と正直にお伝えしようと決めました。
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Posted by 袴田家物語 at 22:29Comments(0)

2022年11月20日

袴田巖さん日記・堀内ジム再訪&中日新聞記事

中日新聞静岡県版に「袴田事件がわかる会」の記事載っていました↓


そして、この時、巖さんは・・というと・・

見守り担当者報告(一部)をどうぞ↓

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「今日は新丸子のボクシングジムに行く」、と巖さん。
(巖さんがプロボクサー時に所属していたボクシングジムが、川崎市新丸子町にあったのです。そこのことだと思われます)

ひで子さんから、堀内ボクシングジムに行けばいいよと言われ、わかる会に出発したひで子さんのすぐあと、出発。

堀内ジムは近すぎるので、都田公園まで行き、戻る。


都田公園は、巖さんが釈放され、浜松の病院に入院されていた時、私が車でお連れした初めての場所でした。その時は、雨がひどくて、「雨だから降りれない」と、車を駐車場に止めて、芝生の中のぼんやりした電燈の明かりを見て「あれはなんだ?」と聞いてこられ・・

次は、車から降りて芝生で寝転んでもらいたいなどと考えて、敷物、水筒に紙コップを持って行き、自分の想像の甘さに打ちのめされた場所です。巖さんは公園のうねった道をひたすら歩かれ、広いところに出ても、狭い世界におられました・・。

今日は、落ち葉と秋の景色で、車を降りると、足を止めて、全体を眺めておられました。


少し離れた木のテーブルまで歩いて行かれて、子供が走り回ったり、親子で遊んでいるのをみておられました。

次は堀内ジムへ。
ジムの中には誰もおらず。巖さんは中に入っていかれ、横の方に座って休憩。サンドバッグに触られることはありませんでした。


私は急いで堀内会長さんにお電話し・・堀内さんが出て来られると同時に、巖さんは車に乗り込まれてしまい、会長さんは「堀内ジム」と繰り返し言われていたので、新丸子じゃないのは丸わかりでした。

「いつでも来てください」と、堀内さんは喜んでくださいました。

巖さんは何もおっしゃらなかったですが、そのまま帰るのは気が咎めて、次、船越公園をまわって、「お家帰りますか?」「ああ」で、帰宅しました。
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