袴田家物語

巖さんへの定期往診で医師と看護師の訪問あり・・

「お変わりないですね。どうぞこのままお元気でお過ごしください」と、言っていただきました。

巖さんは、この医師と看護師に千円札1枚づつ差し出しました。

巖さんの気持ちでしょう。最高権力者として「チップ」与えたつもり？

いやいや、巖さんは妄想で「最高権力者」とご自分のことをおっしゃるけれど、決して不遜ではなく謙虚な方です。

お二人は、お礼を言って受け取ってくださいました。
お帰り際には、診察票の下に隠してひで子姉さんに戻されましたが。

その後です！

部屋には巖さんと二人になって、ルビーを巖さんの膝に乗せたりして遊んでいたら・・

突然・・

「味方になってくれてありがとうございます」

巖さんは、そう言うと頭を下げられたのでした。



驚いた私。

「こちらこそ、ありがとうございます。みんな巖さんの味方ですから」

とっさに、そんな言葉がでました。

巖さんは、何のことをおっしゃっているのでしょうか・・

2月8日、ひで子姉さんの誕生日に記者から「お姉さんの優しいところは？」と問われて、「闘いにおいて味方だから」とおっしゃった巖さん。

それと似たようなことでしょうか・・？

なんだかわかりませんが・・毎日一緒に食卓を囲み、お傍に仕えて巖さんを見てきた私は、この巖さんの変化に驚き感無量となったのでした。

巖さんは、そう私に言うと眠ってしまわれました。