2024年05月10日

袴田事件再審 支援団体連盟・検察に無罪論告要請

私たち「袴田さん支援クラブ」も加盟している支援者の全国組織「袴田巖さんの再審無罪を求める実行委員会」は、5月8日に検察へ要請書を提出しました。

5月22日の結審日、無実が明白となっている巖さんに検察が有罪(死刑)求刑するなど許されないからです。
袴田事件再審 支援団体連盟・検察に無罪論告要請

(写真は参加者の一部)
以下、提出した要請書の内容です。(読みやすくするため1行空けは筆者)
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袴田巌さんの無罪論告を求める要請書

静岡地方検察庁
検事正
山田 英夫 様

私たちは、貴職ら が 5 月 22 日の第 15 回 再審 公判において、袴田巌さんに無罪論告を行うことを強く要請します。

袴田さんは、1966 年 6 月 30 日未明 に旧清水市内のこがね味噌 専務 宅で発生した強盗殺人 放火 事件 の 犯人 と 疑われ 同年 8 月 18 日に逮捕、 9 月 9 日に起訴され、 1968 年 9 月 11 日 に静岡地裁で言渡された 死刑判決が 1980 年 12 月 12 日に最高裁で確定しました。

その後、 2014 年 3 月 27 日に静岡地裁で再審開始と死刑及び拘置の執行停止 が 決定 され、 さらに 約 9 年 を経た 2023 年 3 月 13 日 、 東京高裁 が 再審開始 を支持する 決定 を出し、 これに対して 東京高検 が 特別抗告を断念したことから、同年 3 月 20 日に 静岡地裁の再審開始決定が ようやく 確定しました。この時点で、確定 死刑 判決の誤りは明確となり、 43 年を経て 死刑囚 の身分から 再審被告人となりました。

しかし、貴職らは本件再審公判において、従来の主張 を蒸し返し てきました。
最も重要な証拠とされる「 5 点の衣類」は、 再審請求段階 まで の審理で、 白半袖シャ ツ右肩の傷の不一致、鉄紺色ズボンが小さすぎて穿けないこと、 付着した血痕の DNA 型が袴田さんとも被害者らとも一致しないこと、 そして 発見される までの 1 年 2 か月 間 みそ漬けにされた状態であった はずな のに血痕の 赤み や生地の色味が 不自然に残っていること など が明らかにな っ ており 、 袴田さんの犯行着衣とは到底認められません。

さらに、当時の袴田さんの生活状況から「 金銭目的 」という動機は成立しないこと、被害者らの
遺体の状態から くり小刀を凶器に単独での犯行は不可能であり 外部による複数犯の可能性が高い
こと 、 侵入方法や脱出経路にも矛盾があること など、既に破綻している論点を繰り返すばかりです 。
貴職らが 再審公判で 行なっている 有罪立証は 、 抽象的な可能性を指摘するばかりであり、弁護人
の主張にも明快な反論がなされ ていません。そのような状況で袴田さんに再び死刑を求刑すること
は 断じて許されません。

袴田さんは、冤罪で逮捕され身柄を拘束されてから48 年間、犯人に仕立て上げられる恐怖、死刑執行の恐怖と闘い続けてきました。しかし、釈放から 10 年が経過してもその苦しみは消えることはなく、未だに「被告人」のままです。無実の袴田さんをこれ以上苦しめることなく、一日も早く「 普通の人 」 として社会生活を続けるためにも、貴職ら に は無罪論告を行うことを強く要請します。

2024年 5 月 8 日
袴田巖さんの再審無罪を求める実行委員会

連絡先:静岡市清水区石川本町16の18
(構成団体は以下のとおり、五十音順)
アムネスティ・ インターナショナル日本/日本国 民救援会/日本プロボクシング協会袴田巖支援委員会/袴
田巖さんの再 審を求める会/袴田巖さんを救援する清水・静岡市民の会/袴田巖さんを救援する静岡県民の
会/袴田さん支援クラブ/浜松・袴田巖さんを救う市民の会/無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会
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静岡新聞5月9日↓
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