2017年06月14日

ボブディランの「ハリケーン」はアメリカ版袴田事件支援

昨日の朝日新聞夕刊です下
ボブディランの「ハリケーン」はアメリカ版袴田事件支援


ボブディランの「ハリケーン」はアメリカ版袴田事件支援


「無実へ 元ボクサーの闘い」 「袴田さんとディラン「ハリケーン」の主人公」の見出し。

ボブディランといえば・・ノーベル文学賞を受賞したアメリカ人ですね。

このボブディランに「ハリケーン」という曲があるのですが、それはアメリカで冤罪と闘う黒人の元ボクサーを支援するために作った曲。

新聞記事によると・・

この元ボクサーは、袴田事件と同じ年1966年に殺人事件の主犯として逮捕、終身刑となり19年を獄中ですごした元世界ミドル級チャンピオンのルービン・ハリケーン・カーターさんのこと。
カーターさんは再審で無罪となり、袴田巖さんへメッセージを送っている。

「西洋のハリケーンから東洋のハリケーンへ  俺は生き延びた。あなたも生き延びてくれ」

今回、私がみなさんにご紹介したいのは・・

冤罪が晴れたカーター氏への袴田巖さんの獄中からのメッセージです。

以下にその全文を掲載します。どうぞ読んでください。

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1981年

冤罪と闘ったボクサーの同志ミスター・ハリケーン・カーターへ

 昨日は前田衷先生がお書きになられました文章を拝見することができ、今大いに我が意を得ております。と言いますのは、私がこの冤罪事件=黄金味噌一家四人殺人放火事件でデッチ上げられた1966年、この同じ年にアメリカでルビン・カーターというボクサーが、私同様にボクサーであったが故に、司法権力にデッチ上げられているからであります。
 幸いアメリカの文明的・国民的な叡智は、すでにこのカーター氏の対する人種的差別や予断や偏見を、23年目とはいえ全面的に払拭し、このほど関係者の多くに抜き差しならないものとして存在し続けた「ボクサーなら人殺しもやりかねない」という、誠に人間の尊厳を無視した考え方に歯止めを刺し、彼・無実のカーター氏に対して再審を下した現実は、同じ元ボクサーとして、また同じ冤罪者として、私は今、この日本の最大の監獄(東京拘置所)の最深部の独房の窓から、遥かアメリカの冤罪者カーター氏ならびに、彼を救ったアメリカ国民の愛と英断に対して万歳!万歳!を心から唱えたい。

 カーター氏よ!ともかく晴れてよかったね。おめでとう!さてカーター氏よ!長い獄中生活の中であなたはボクシングへの情熱を忘れたことはなかったことでしょうなぁ!あなたも私も、とても似たボクシングに対する情熱を堅持していたことでしょう。まさにその闘魂があなたの無実を晴らす立派な原動力であったことは疑いありません。

 私も正義の人の輪に力を得て、アメリカ国民に劣らない日本国民の愛と英断を信じて、あなたに続くために最善の努力を尽くします。どうかあなたに等しいこの私の境遇の誼(よしみ)で、今後の私の冤罪闘争をご支援下さいますよう心からお願い申しあげます。

 カーター氏よ!私は日本の聖母の騎士、パウロ袴田巌です。ですから、いかなる血の獄中闘争にも耐え忍び得る力を与えられています。そうした一つの余裕が、今も私をボクシングに熱くさせています。

 ところで、わがボクシングへの道の最大の喜び、それは多くの若者を世界のチャンピオンに育てることです。若きものとしてその一時期、自ら世界チャンピオンを狙ってトレイニングに血と汗を流し真剣に闘った勇者なら、そしてその世界チャンピオンの夢を果たせなかった勇者なら、だれもその若き日の渇望の一端を実現させたいと願うものでしょう。

 そして、現代の若者たちと共に世界を目指して燃えたいと震え立つでしょう。幸か不幸かそれは私の現在の本心なのです。恐らくかつて世界チャンピオンとしての資格を持ちながらそれを果たせなかったカーター氏も、その熱い情熱を胸に秘めているのではないでしょうか?こうした私の夢が長い獄中生活がもたらす妄想か否かは別にして、私は今晩も無実の罪の獄窓に立ちつつ、53歳の日を迎えました。

 すでに獄中闘争も23年目を迎えました。今、私は無実を晴らす闘いの世界最強のチャンピオンになることを願っています。どうか幸せな日々をニュージャージーの故郷でとりもどしてください。

 皆様の支援を心から感謝しつつ
 闘いと心の支えである国際的な同志、ミスター・ハリケーン・カーターへ

 闘いの後輩である東京拘置所の、パウロ 袴田巖より (3・21)

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(注:袴田巖さんは、死刑確定後の1984年12月24日 カトリックの洗礼を受けている)

袴田巖さんは、このメッセージを書いた後、さらに24年もの間獄に囚われていました。

カーター氏へのインタビュー時、巖さんが精神を病んでいることを伝えると

「そうなる理由は明らかだろう!君なら正気を保つことができると思うかい?」と激しい口調になったとのこと。


巖さんはカーターさんと違い、さらに過酷な死刑囚でした。

しかも、日本のほうが人権意識が低く刑務所での生活も「中世」「劣悪」といわれます。

カーター氏は、巖さんが釈放された1ヵ月後に亡くなっています。

早く、巖さんの再審無罪の報告を天国のカーター氏に届けたい!











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