2024年03月26日

袴田再審 25日証人尋問・弁護団記者会見

最大の争点、1年以上みそ漬けされた衣類に付着した血痕に赤みが残るのかどうかの論争です。

25日、検察側証人・2人の法医学者の証人尋問後記者会見したひで子姉さんと弁護団。
(検察側証人は、池田典昭九州大学名誉教授と神田芳郎久留米大学教授)

証人尋問担当の間、笹森両弁護人は翌日の打ち合わせのため記者会見を欠席。

最初にマイクを握って感想を述べたひで子姉さん。


「テキパキするのかと思ったら・・曖昧で、何でこれが証人だいな?と思うようなところもございました」と、検察側証人への失望感もらし・・
明日の間弁護士や清水恵子証人らへの期待を述べました。

小川秀世主任弁護人


経過を報告した小川秀世主任弁護人は、開口一番「僕、聞き間違えかと思ったのですが」と、池田証人(検察側)に驚かされたことを述べました。

池田証人が、1年以上味噌の中に漬かっていたら血痕に赤みが残らない、法医学者の誰でもそう思うだろうと述べたというのです。
また、清水奥田鑑定(弁護側)に関しても書いてあることは間違いないが論理に飛躍があるという程度。

また、池田証人は血痕の色というけれど生地が白い、そのことのほうが重要ではないかと述べられたとのことで、小川弁護士は「非常に常識的なところで的確な判断をされた」と評価。ご自分が清水の出身で清水の味噌についても話され、それは苦しい説明かと思ったものの正直な先生との印象だった。こちらは反対尋問がいらないくらいで、逆に検察は真っ青になっているのではと笑みがこぼれました。

神田証人は、再審開始を決定した高裁評価を批判したものの「赤みが残る」とした共同鑑定書への弁護人質問には「わからない」と返答。

角替清美弁護人


次にマイクを握った角替清美弁護士は、神田証人を「まるで、料理をしもしないくせに妻の料理にケチをつける夫」と形容、実験を1度もせず、ZOOMで3回話しただけの共同鑑定書も含めて、痛烈に批判した。清水・奥田鑑定人は、検察からケチがつくたびに実験で証明している。

水野智幸弁護人


元裁判官の水野智幸弁護士は、科学者の尋問の弊害(前提により長引く)について触れた。そのうえで、池田証人は、結局弁護人の主張を裏付ける心証を残すと述べ、神田証人は結局のところ「わからない」というところに持ち込みたがっていると指摘。間弁護人が素晴らしい反対尋問を展開したので、わからないところは確かに残るものの清水・奥田鑑定の通り(赤みは残らない)だということに明日戻すことが大事と語りました。

また記者団からの質問、再審開始にした高裁決定を検察証人らが批判していることに関して・・
高裁決定が1年2ヶ月味噌漬された血痕に赤みが残ることはないとしているのは、科学的な見解をいっているのではなく、清水・奥田鑑定を前提としつつ袴田事件の全証拠と照らして法律家の決定としているので、何も痛手ではないと返答。

加藤英典弁護人


加藤英典弁護士は、検察が(赤みが残らないという主張がおかしいというなら)想定される当時の1号タンクの条件で実験し赤味が残ったというなら、それは我々の脅威になるが、そういう検証はないことを強調。

結局、検察側証人の証人尋問が、検察に有利になったとは到底思えない結果であったということでした。

今日26日、すでに弁護団の記者会見が終わっています。
また、様子をお知らせします。

清水恵子証人が、検察側証人主張を喝破したと聞いていますので、お楽しみに。

(今回の証人尋問、私は傍聴できなかったため、傍聴記は出せません・・)




  

Posted by 袴田家物語 at 18:55Comments(0)袴田事件再審公判